先月は数年ぶりに京都にある芸術系大学の卒業制作展へ行ってきました。母校へはなかなか行けずじまいですが、やはり色んな人の作品を見るのは面白く、昔は興味の薄かった分野も今観るといいなぁと思えたりといろいろでした。(具体的には保存修復や模写など)
それから少し時間が余ったので、京都国立近代美術館でやっている『リュイユ』も観に行ってきました。今回はその事について書こうと思います。
「リュイユ」とはフィンランドのアイデンティティが現れた織物と言われているそうです。
私はこのあたりの知識がないので(他もないけど)、はじめはリュイユを作家名かなにかかと勘違いしており、何も知らないんだなぁという現実にいきなりぶち当たっていました。
深みのある色と暖かみを感じるデザインはいつまでも眺めていたくなります。
アクセリ・ガッレン=カッレラ 『炎』(1983年制作)。炎とは意外なタイトルでしたが、それぞれにタイトルがあり、それを見るのもとても楽しいです。
様々な組み合わせ。何がそうさせるのか、眺めていると気持ちがふかふかして柔らかくなってくる気がします。
絵画のような大きなリュイユはとても迫力がありました。そして周りの空気をどこか暖かく包んでくれるよう。深みのある赤がとても綺麗。
リュイユと一緒に観れるコレクション展もとても良かったです。布と糸でこんな絵画のようなことができるのかと驚いたりしていました。改めて工芸って様々な可能性があるんだなと感じていたのですが、昔工芸科に在籍していたにもかかわらず、学生の頃はその可能性に気付けず、今となっては当時の自分の未熟さが歯痒い限りです。あの頃は今ほど作品を見たりする事も出来なかったので、仕方がないと感じる部分もあるのですが、当時の教授が「少年老い易く学成り難し」とよく言っていた言葉が今頃になって身に沁みています。
コレクションには書家の作品もあり、正直この分野のことは何一つ知らないのですが、線のもつ緊張感が異次元でかっこよく痺れました。大変見応えがありました。
引き続き、時間とお金、そして体力の許す限り色んなものを観に行きたいものです。