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『裏側を通る風 ドローイング日記2021-2022』について

2024年上半期が怒涛のごとく過ぎ去ったので、ちょっとのんびりしようかな……と思っていたら、のんびりどころか夏の暑さが酷すぎて何も手につかず、気付けば今年も残すところあと2か月となってしまいました。

 

7月に作品集「裏側を通る風 ドローイング日記2021-2022」を発行して、それについてブログを書こうと思っていたのに、すっかり遅くなってしまいました。

本の中で作者のことばというのは書いているのですが、初めての本作りであたふたしてしまい、後からああすればよかった、こうすればよかった、ということが沸々とわいてきます。

でも、これはやってみて初めて気付くことでもあるので、こうやって少しずつでも経験が積めたことはとても貴重でした。

 

「裏側を通る風」はコロナ禍の1年(2021年3月~2022年2月)にスポットライトを当てた作品集で、日々の暮らしやニュースなどを見て感じたことなどを基に、1カ月に6枚ハガキサイズの作品を作り、それを1冊の本にまとめました。

 

これは実際に本を見てもらわないとわからないのですが、作品の背景が黒になっている期間は、緊急事態宣言がでていた期間です(地域によって期間が異なるため、ここでは私の住む兵庫県を基準にしています)。時間が経つと色々と忘れてしまう事が多いのですが、こうする事で、後年自分自身が振り返った時に当時を思い出す手がかりになればと思っています。

 

職場が医療機関ということもあり、頻回の手洗い・消毒ですっかり手が荒れてしまったこと、大規模なワクチン接種が開始されたこと、無観客の東京オリンピック開催、それに伴う祝日の移動、パンケーキが好きだと言っていた首相の突然の退任等、ざっと眺めているだけでも、次から次へと本当に色々あった1年だったなと思います。

 

ハガキサイズとはいえ、1カ月に6枚描くのはなかなかに大変で、最初はよかったのですが、後半は正直かなり苦しく辛くなっていました。

2022年2月末で一旦このシリーズは終了しようと決めていたので、なんとか最後までやり抜こうと思い、ようやく終わりが見えてきたな、と思っていたところ、2022年2月24日にロシアのウクライナ侵攻が始まり、まさか最後にこんなニュースがとび込んでくるなんて想像もしていなかったので、それについては未だに言葉を失ったままでいます。

例えば作品終了期間をもう少し後に設定していたら、自分はその後のことをどんな風に描き得ただろうか?ということは今でも考えます。「そんな事言ってないで、その後も続けて描けばいいじゃないか」と思われそうですが、その後のことは私には日記のような形で即興で描けることではなく、充分な内省が必要だと感じています。

 

まとめるつもりが、まとめきれず、だんだん何を言っているのかよく分からない文章になってしまいましたが、興味をもたれた方はよろしければ本を見て下さい。どうぞよろしくお願いします。