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ツバメの話

最後に見たのはいつだったんだろう?

子供の頃は毎年当たり前のように見ていたツバメのヒナ達。しかし、気づけばいつの間にかパタリと見かけなくなっていました。

そんな中、今年とても久しぶり(おそらく十数年ぶり)に我が家でツバメのヒナの巣立ちを見届けることができました。
カラスなどの外敵も多いため、毎日心配で観察していたのですが、ヒナ達のだんだん大きくなっていく姿を眺めるのは、ほんとうに愛らしくて
嬉しいものでした。

産毛のころ。

毛が生え変わって、ツバメらしくなってきたころ。そしてどんどん大きくなって巣からあふれ出していく。

 

数年前、ツバメのヒナが産まれなくなってしまった事がずっと気になっていて、ある方と話していた時に、なんとなくそのことを話してみたら「蜂群崩壊症候群」のことを教えてもらった事があります。

蜜蜂が大量に失踪・消滅してしまう現象で、ネオニコチノイド系農薬が原因か?とも言われていますが、農薬が生態系に及ぼす影響なんて、それまで何も注目してこなかった私にとって、それは「!」の連続でした。農薬が昆虫に与える影響、それを餌にする鳥。
私は専門家ではないので、十分な知識はありませんが、ツバメをきっかけにそれまで無関心だったものにも意識がいくようになりました。
何においても理想と現実の間には大きな隔たりがあったりするのですが、自分で興味をもって考える、その興味が開かれる瞬間というのは、ある意味とても大きな喜びにもつながります。
何かを知りたいと思うこと、何かを学びたいと感じる楽しさのようなものに気付くきっかけが、日常の風景の中にほんとうにあったんだ、という事を身をもって知った瞬間でもあり、そういう意味でも、私にとってツバメはとても注目すべき鳥だと思っています。

 

教えてもらった素晴らしい本。未読の方でご興味ある方は是非読んでみて下さい。私も久しぶりに読み返してみようかな。

 

 

6月のはじめ、生まれた5羽のヒナたちは、全員無事に巣立ち、旅立っていきました。

家のすぐ近くを飛んでいたツバメの集団の写真です。たぶん彼ら一家ではないかな……と思い眺めていたのですが、どうだろう?

 

来年もまた来てくれるといいな。